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機械装置の疲労破壊を防ぐ方法


   
講師: 遠田治正
TMEC技術士事務所
技術士(機械部門)
日時: 2024年5月28日(火)10:00〜17:00
1日集中講座
受講料: 43,000円(消費税込)
会場: オンライン講座(オンライン講座について
職場・自宅 全国どこからでも参加できます。
「ZOOM」を使用します。
※アプリをインストールせずブラウザから参加できます。

※録音・録画・撮影はご遠慮下さい。


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●受講のおすすめ

疲労破壊は、機器や構造物の部材に対して荷重が繰返して応力が発生すると、その応力によってまず微小なき裂(ひび割れ)が発生し、やがてそれが繰返しごとに少しずつ成長(進展)を始め、最終的には部材の破断に至るという現象である。

この疲労破壊は、発生応力が耐力を越えた大きなレベルで発生すると、繰返しのたびに新たな塑性変形が発生し、繰返し回数がほぼ1万回以下で破断に至るが、発生応力が耐力以下(すなわち弾性応力)で発生する場合には、1万回を超えて破断に至る。前者のような現象を低サイクル疲労、後者を高サイクル疲労と呼んでいる。

このような疲労破壊を防止することは永遠の課題であり、 機械設計者はその現象の仕組みを理解したうえで、発生防止の対策を講じなければならない。

また、疲労破壊にはき裂(クラック)の発生がつきものであるが、き裂の強度評価を行う場合には、材料を強度ではなくて靭性(脆さ粘さ)という面から検討するための破壊力学の知識も必要となってくる。

このセミナーでは、設計者が疲労の仕組みを理解できるように、また破壊力学が理解できるように説明し、疲労破壊の防止対策が簡単に行えるように解説する。

<対象者>
  • 疲労破壊の現象に対応する役割にある機械技術者
<事前知識>
  • 材料力学の基本的な用語が理解できていること
  • 応力の基本的な計算ができること
  • 材料力学で扱う基本的な量の単位がわかること

●セミナープログラム

1.材料の強度評価の概要
1.力の作用の仕方と破壊現象
1.1.力の分類
  (1)作用方向による分類
  (2)作用時間による分類
  (3)発生原因による分類
1.2.破壊現象の分類
  (1)静的破壊、動的破壊、疲労破壊
  (2)延性破壊(安定破壊)と脆性破壊(不安定破壊)
1.3.材料の機械的性質
  (1)引張試験と応力−ひずみ線図
  (2)強度(強さ)と靭性(粘[ねば]さ、脆さ)
2.疲労破壊の現象と仕組み
2.1.疲労破壊の3段階
2.2.各段階での疲労破壊の進行の仕組み
2.3.S-N線図(応力振幅-繰返し回数線図)と疲労寿命
2.4.高サイクル疲労破壊と低サイクル疲労破壊
2.5.疲労限度
2.6.ギガサイクル疲労
3.疲労強度に及ぼす影響因子
3.1.応力振幅とひずみ振幅
3.2.平均応力、残留応力
3.3.変動応力(ランダム荷重)と繰返し回数の数え方
3.4.応力集中
3.5.寸法効果 
3.6.異種荷重の組合せ
4.疲労破壊を防ぐ方法
4.1.有限寿命設計と無限寿命(疲労限度)設計
4.2.第1段階・第2段階を防ぐ方法
4.3.第3段階(疲労き裂進展)を防ぐ方法
4.4.疲労き裂進展は許すが最終破断は防ぐ方法
5.き裂進展を定量評価する方法〜破壊力学の利用
5.1.強度と靭性の世界の違い
  (1)引張強さσBと、破壊靭性値KC
  (2)応力σと、応力拡大係数K
  (3)応力振幅σaと、応力拡大係数範囲ΔK
  (4)S-N(σa-N)線図と、き裂進展速度da/dN-ΔK線図
5.2.応力拡大係数Kの簡便な計算方法
5.3.第3段階での繰返し回数の概略計算方法
6.高サイクル疲労発生の防止対策
6.1.応力振幅・平均応力とS-N線図
6.2.平均応力、切欠き、残留応力の影響
6.3.S-N線図推定方法
6.4.疲労破壊の断面の様子
7.低サイクル疲労破壊の防止対策
7.1.ひずみ範囲と、Δε-N(ひずみ範囲-繰返し回数)線図
7.2.平均応力、切欠き、残留応力の影響
7.3.Δε-N線図推定方法
8.疲労強度検討の実例
  (疲労寿命評価と疲労破壊防止策)
8.1.溶接継手への適用例
8.2.歯車
8.3.ねじ
8.4.はんだ接合部
9.まとめ
付録
1.破壊靭性値K1Cの測定方法・推定方法
2.き裂進展速度da/dN-ΔK線図の測定方法
3.安全率の合理的な設定方法

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