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2001.05【特集記事−本誌編集部より−】
2000年版:品質マニュアルはこう作る!

 

1.主な改正点

主な改正の趣旨及び改正点は以下の通りである。
  1. ISO 9001/9002/9003のISO 9001一本化。
  2. 品質及び環境の監査規格の統合。
  3. ISO 9000S全体をISO 9000/9001/9004/19011及びTR等とする。
  4. あらゆるカテゴリに適用できるプロセスモデルに沿ったシステムへの変更。
  5. PDCAサイクルの構造への変更。
  6. 顧客とのインターフェース及びマネジメントシステムの継続的改善の要求事項の追加。
  7. システムの有効性を評価し改善する客観的方法の新規導入。
ISO 9000関係の第3者による審査登録事業所数は約15000件となっている。
これらの事業所数は2000年改正に伴い従来システムを2000年改正に沿って変更して行く必要に迫られている。


2.2000年改正の背景

1)改正規格のポイント

(1) 改定の理由
2000年改正にあたってISO 9000シリーズ規格の利用者である1,120機関への改正ニーズ調査を行い次の主要な問題点が整理された。
  1. 要求事項20項目の1994規格への批判が高まったこと
    1. 小規模中堅企業に適さない
    2. 製造業に偏っていること
    3. ファミリー規格が26規格と多すぎること 等
  2. システム、プロセス指向型の経営革新が進んでいること
  3. ISO導入後のTQMへの展開の必要性が出てきたこと
  4. 環境、労働安全衛生など統合システムが要求されてきたこと
  5. あらゆる産業分野を網羅すること
  6. 特定分野(自動車、航空、医療機器など)に一貫した基礎の提供
  7. 内容の拡充と強化の要望が多いこと
    1. 認証取得から卓越した経営への発展
    2. 9001から9004へのシームレスな前進
    3. 9004はマルコムボルドリッジ賞、経営品質賞などへのマイルストーン 等
(2) 改正の目標
改正調査のニーズに基づき、2000年改正規格は、下記の目標で進められた。
  1. 利害関係者のニーズと便益を満たすこと
  2. あらゆる産業分野で利用できること
  3. 小規模・中堅企業にも利用できること
  4. 理解が容易な表現で、利用しやすい規格にすること
  5. システム、プロセス指向にすること
  6. 環境、労働安全衛生マネジメントシステムと両立すること
  7. 自己評価が容易にできるようにすること
マニュアル見本 2)2000年改正規格の構造

(1) 2000年改正規格と主な変更点
次の4つのコア規格として定められた。この2000年改正規格は、あらゆる形態及び規模の企業(組織)が品質マネジメントシステムを実施して運用するために利用できる。また、国内及び国際取引を円滑化して相互理解を容易にする品質マネジメントシステムのファミリー規格として構成されている。
  1. ISO 9000−基本と用語集 品質マネジメントシステムの基本を説明し、品質マネジメントシステムに関する用語と定義及び参考を定め用語の使用方法を定めている。定義されている用語の種類は以下のとおりである。
    1. 品質に関する用語 ;5種類
    2. マネジメントに関する用語 ;15種類
    3. 組織に関する用語 ;7種類
    4. プロセス及び製品に関する用語 ;5種類
    5. 特性に関する用語 ;4種類
    6. 適合性に関する用語 ;13種類
    7. 文書に関する用語 ;6種類
    8. 評価に関する用語 ;7種類
    9. 監査に関する用語 ;14種類
    10. 測定プロセスの品質保証に関する用語;6種類
  2. ISO 9001−品質マネジメントシステム要求事項
    1. 顧客要求事項と法令要求事項に適合した製品を提供する企業(組織)の能力を実証するための基準文書。品質マネジメントシステムの要求事項を規定している。
    2. 主な変更点
      1. 品質マネジメントシステム要求事項
      2. 企業ごとに適用ニーズに対応したテーラリング
      3. システム、プロセス重点の構成
      4. 顧客満足度
      5. システム、プロセスの継続的改善 等
これらを念頭において品質マニュアルを作成しなければならない。

マニュアル見本


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