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2000.11【特集記事−本誌編集部より−】
2000年改正対応・品質マニュアル具体的改訂の手順
──どこをどう変えるか──

 
 「ISO9000審査登録事業所のための2000年改正:社内規定新規追加変更事例集」阪本三郎監修 白石正彦・吉田秀夫編著、400頁)が発刊されて大好評です。
 全体はこの事例集でご覧いただくとして、「品質マニュアル」の改訂のしかたを見本頁を上げながら解説してみましょう。

 「品質マネジメントシステム」では、『管理責任者は、品質マネジメントシステムの許容除外を含めて「品質マニュアル」を作成し、社長の承認を得て発行し維持する。』と『「品質マニュアル」の管理手順は「品質マニュアル作成及び管理実施標準」に示す。』を追加しました。

 また、「顧客とのコミュニケーション」では、

4.3.5 顧客とのコミュニケーション
営業部長は、顧客とのコミュニケーションの円滑化をはかるため定められた規定に基づいて下記の事項を行う。

(1) 『内部コミュニケーション管理規定』に基づき「QMS情報通知票」で顧客に関わるQMS情報の収集及び処理を行う。
(2) 『顧客満足監視規定』に基づき「アンケート票」を使って、製品に関する一般的情報を収集する手段として1回/年のアンケートによる情報交換を実施する。
(3) 『クレーム処理規定』に基づいて、顧客からのクレーム等の調査依頼の受付窓口、回答促進および顧客への回答の業務を行う。
(4) 当規定に基づき、顧客要求による引合、契約、発注、変更などの製品情報の提供を行う。
のように改訂しました。

また、「品質計画」の頁は実物をあげておきましょう。

又、顧客関連プロセスとして
「顧客要求の確認」を下記のように加えました。
4.3.2 顧客要求の確認
営業部長および開発設計部長は、下記の顧客要求の確認を実施する。
営業担当者は、「顧客要求事項・確認チェックリスト」を用いて「見積仕様書」に基づき設計課が作成した「納入仕様書」の顧客要求事項を確認して顧客要求事項を決定して顧客へ提出する。

次いで、文書管理の中に「文書の定期的見直し」「文書の要件」を加えました。
4.5.3 文書の定期的見直し
総務部次長及び配布先部門長は、半期に一度総務部の「文書管理台帳」と配布先の文書の版数とを照合し、確認する。旧版が使用されている場合は更新手続、再発行が必要な場合には、再承認手続をとる。

4.5.4 文書の要件
(1)文書は読みやすく(例えば箇条書、短文、図表など)書くこと。
(2)文書には、文書名称、文書番号、版数、制改定日付、承認等で識別され「文書管理台帳」によって管理する。
(3)文書は、種類毎に、番号順、製品別、得意先別など各々の文書に適したファイリング方法を採用し検索しやすい管理を行う。

又、「購買」「定期評価」では
4.6.3 定期評価

(1)定期評価計画
1. 購買課長は、『毎年10月に年度別取引先評価計画表に基づき取引先評価の実施を計画し、取引先へ通知する。
2. 受入検査における不具合の多発、重大な不具合が発生した時には、臨時の取引先評価の実施を計画する。
(2)取引先評価の実施
1. 内部監査員は、「取引先評価チェックリスト」の審査項目に従って評価チェックし、「取引先評価報告書」を作成する。
(3)取引先の指導
1. 内部監査員は、「取引先評価報告書」の改善目標達成表において、未達等が発生した場合「不適合・改善事項是正計画書」を発行して、改善指導を実施し、合意を得られた是正処置及び効果の確認を行う。
2. 購買課長は「不適合・改善事項是正計画書」の内容を確認して生産管理部長および社長に報告する。

「記録保管」では、
4.6.6 記録保管
購買課長は、取引先選定およびフォローアップ活動に関わる品質記録としての「新規取引先申請書」、「取引先評価報告書」、「取引先評価チェックリスト」、「QC不具合票」、「不適合・改善事項是正計画書」、「取引基本契約書」、「品質保証協定書」、取引先台帳」等は、『品質記録管理規定』に基づき管理し、『統計的手法管理規定』により改善のために使用する。
としました。
また、「顧客所有物」
4.7 顧客所有物

(1)当社は、顧客先で業務を行う場合の施設、備品等の使用また知的所有物を含む顧客所有物の識別、検証、保護、及び維持管理の手順を定めた『顧客所有物管理規定』を制定し、維持する。
(2)本規定に定める管理工程において顧客所有物の取扱に注意を払う。
  1. 損傷のないこと
  2. 変形のないこと
  3. サビなしのこと
  4. 欠品、紛失なきこと
  5. 必要に応じ製品保護を行うこと
  6. 原品には識別表示されていることなど
(3)管理担当部署は、顧客所有物と他との混同を避けるため、および保護するために部品箱を黄色、または黄色の帯を付して識別する。
(4)紛失、損傷又はその他、使用に適さない所有物は、「不具合処理票」で顧客に報告し、『品質記録管理規定』にしたがって保管する。
と改訂しました。



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